【フランス】「アートパリ」に11点 幸地さん、2年連続出品


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パリ国際現代美術フェアに出展した大型レリーフ「神話の世界」2001と幸地学さん=3月、パリ市内

 パリで行われる世界的なアートビジネスの展示会といえばフィアックとアートパリ。その一つのアートパリ(パリ国際現代美術フェア)が3月26~29日までパリのグランパレで開催され、昨年に続きことしも那覇市出身の幸地学さん(61)の作品が出展された。

 世界20カ国から著名な145の画廊が出展するこの展示会は、近代と現代の国際的なアーティストの作品を展示販売する場。いわゆるアートとして世界的にも価値のあるものだけが展示され、アートマーケットのプロにより売買される。そのような第一線の現場で、幸地さんの作品は、パリ画廊界の重鎮といわれるクロードルマンギャラリーのブース中央に、大型レリーフを含む11点が展示されていた。
 在仏35年の幸地さんはこのヨーロッパの地で、世界のアーティストの中に入って活躍してきた。幸地さんは意識的にそれらを表現したつもりではないと話すが、自身に流れる琉球民族の血、海洋民族の世界観が年を追うごとに作品に表出してきたという。沖縄の風土、世界観が、幸地さんの作品を通して世界の第一線の現場で紹介されているとも言える。
 現代美術といえば、いわゆる玄人でなければ理解できなさそうなジャンルの作品が多い。だが幸地さんの作品はそのような敷居の高さ、難しさを超越している。どの人にも不思議と親しみを感じさせるような世界観があり、時にユーモラスさを備え、思わず手にしたくなる魅力がある。フランスを中心に活躍している幸地さんは、今秋には沖縄での展示会も予定している。(大城洋子通信員)