不法ごみ全量撤去 宮古島市、県内最悪の汚名返上


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 【宮古島】宮古島市(下地敏彦市長)は16日、県内の不法投棄ごみの9割(2010年度、重量比)を占めた市内の一般廃棄物の全てを撤去したと発表した。関係者は「不法投棄ごみ県内ワースト1の汚名を返上できる」と喜び、美(か)ぎ島(すま)づくりへの決意を新たにした。

 市内では10年度、8308トンの不法投棄ごみが確認され、対策が大きな問題となっていた。
 これを受け市は11年に「不法投棄撲滅宣言」を発表。市民協議会を立ち上げて啓発活動を進める一方、各地で不法投棄ごみの処理に着手した。
 12年度に3千万円を使って約6千トンを撤去。14年度は約2300万円を投入し、撤去が難しいとされていた市城辺の崖下に残る1056トンを撤去した。
 一部ほ場整備地で見つかった産業廃棄物を除き、一般廃棄物の全量を撤去したことになる。
 県全体の不法投棄ごみ量の大幅な減少にもつながりそうだ。
 下地市長は不法投棄ごみのほぼ全てを撤去したことを喜んだ上で「(処理に使った)5300万円は、不法投棄がなければ別のことに有効活用できた」と指摘。「家庭から出るごみは市が責任を持って回収するので、不法投棄は絶対にやめてほしい。今後、不法投棄には告発も辞さない」と強調し、市民の意識向上に取り組む覚悟を見せた。

崖下に投棄されていたごみ=2014年10月、宮古島市城辺(宮古島市提供)
ごみの回収が終わった崖下。地面が見えるようになった=3月末、宮古島市城辺(宮古島市提供)