キングス最終戦完敗 TKbjリーグ第52戦


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キングス―滋賀 第3クオーター、積極的にインサイドに切れ込む岸本隆一=26日、宜野湾市立体育館(屋嘉部長将撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区2位=42勝9敗)は26日、宜野湾市立体育館で滋賀レイクスターズ(同4位=33勝18敗)と第2戦を行い、60―77で完敗してレギュラーシーズン最後の一戦を白星で飾れなかった。

大黒柱のアンソニー・マクヘンリーが欠場したが、第1クオーター(Q)の立ち上がりはドゥレイロン・バーンズや岸本隆一が点を稼いでクロスゲームに持ち込んだ。しかしキングスのシュートが落ち始めると、滋賀は外国籍選手を中心に点を重ねてリードを広げた。第2Qは滋賀の激しい守備に手を焼き、いい流れをつかめないまま28―38で前半を終えた。第3Qはアンソニー・ケントがインサイドで得点したが、滋賀の攻撃を止められずに時間が流れた。最後までキングスは波に乗れず、大差で負けた。キングスは5月2、3の両日、沖縄市体育館で大分ヒートデビルズ(レギュラーシーズン7位)とプレーオフのファーストラウンドを戦う。

滋賀レイクスターズ(34勝18敗)
77―60(23―14,15―14,19―15,20―17)
琉球ゴールデンキングス(42勝10敗)

 【評】滋賀が攻守でキングスを圧倒した。両者が競り合ったのは試合の開始直後だけで、主導権を握った滋賀が最後まで優位に立った。滋賀は第1Qでリードを奪うと、第4Qまで攻撃の勢いを落とさなかった。キングスは滋賀の守備を攻略できず、リングが遠かった。(平安太一)

◆課題見つかった
 伊佐勉HC(キングス)の話 最後のホーム戦で勝ちたかったので残念な結果だ。準備してきたことが一度崩れると、立て直すまでの時間が長かった。課題が見つかった試合で、レギュラーシーズンで良かった。来週すぐプレーオフがやってくる。切り替えてプレーオフモードでやっていく。

◆プレーオフつながる
 遠山向人HC(滋賀)の話 レギュラーシーズン最後の試合で、最もプレーオフを感じられる相手にいい状態で勝利ができた。(試合では)オフェンスリバウンドの獲得とターンオーバーを減らすことを徹底した。今日の試合がプレーオフにつながると信じて戦っていく。

◆マクヘンリー欠き迫力不足/PO前に厳しい現実
 観客の声援が何度もしぼむ。キングスを後押しするために声を振り絞るが、コート上の選手たちは力を出し切れない。「締まらない試合をしてしまった」と語る金城茂之の表情が晴れることはない。17点差の大敗。レギュラーシーズン最終戦の黒星。プレーオフ(PO)を前に厳しい現実が突き付けられた。
 大黒柱のマクヘンリーが足に痛みを感じ、コーチ陣と話し合って欠場を決めた。状態について伊佐勉HCは「心配ない。POには間に合う」と断言する。しかし主力を欠いたチームは明らかに迫力不足だった。
 良かったのは第1Qの序盤、バーンズの3点弾、岸本隆一のミドルとテンポ良く得点した時間だけ。滋賀の激しい守備に苦しみ、シュートすら打たせてもらえない場面が増えた。インサイドでチームをけん引したケントは「シュートを決めるのに困難なことが多かった」と振り返る。第4Qにリードを縮める場面もあったが、滋賀の勢いを止められないまま試合終了のブザーを聞いた。
 「この1敗から学んでPOにつなげる」と金城は言う。今季は敗戦のたびに各選手が同じ言葉を口にした。負けが許されないPOに向けて、本当の意味で悔しさを力に変えられるか。キングスの真価が問われる最終決戦が幕を開ける。(平安太一)