琉球舞踊さっそうと 「お父さんサークル」活動10年


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
上り口説をさっそうと踊る「お父さんの琉球舞踊サークル」のメンバー=4月30日、八重瀬町

 【八重瀬】トゥントゥンテンテン―。「かぎやで風」の音楽に合わせ、講師の指導の下、男性たちがすり足でそろりそろりと前に進む。琉球舞踊の練習に励むのは八重瀬町の「お父さんの琉球舞踊サークル」のメンバーだ。70代以上の男性を中心に、町中央公民館などで週に1度の練習を10年以上続けている。琉舞を通して仲間と交流し、健康増進を図っている。

 サークル結成の立役者は会長の野原勲さん(72)だ。公民館の館長を務めていた約10年前、公民館講座の参加者を募ると、応募者はほとんど女性ばかりだったという。
 「退職した男性たちは家に引きこもりがちで、活気がない。これではいかんと思い、お父さんたちが気軽に参加できるサークルをつくろうと思い立った」と振り返る。
 結成当初からのメンバーで最高齢の仲村實清さん(83)は「琉舞に関心はあったが、男1人で道場に行くのは気が引ける。そんな時に出会ったのがこのサークル」と思い出を語る。「真面目に10年続けたが、1人で踊れるのは2曲ほど。いつも仲間の皆さんにリードしてもらっている。頭も体も楽しい思いをしているよ」とはにかむ。
 現在、会員は12人。当初は男性だけの会だったが、今は夫婦や女性の参加者もいる。練習成果は公民館祭りや結婚式などで披露する。最も“受ける”のは、男性たちが踊る「浜千鳥」だという。
 金城永俊さん(80)は「孫が結婚する時に踊りを披露できたらうれしいね」と笑顔で話した。