琉球大、名桜大、ハワイ大が沖縄研究連携 あす協定調印


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 琉球大学(西原町、大城肇学長)と名桜大学(名護市、山里勝己学長)、ハワイ大学の3組織は12日、コンソーシアム(連合組織)協定を結ぶ。大城学長と山里学長が同日ハワイ州を訪れ、デービッド・イゲ州知事同席のもと協定書に調印する。沖縄研究を中心に言語、観光、自然科学などさまざまな分野で連携していきたい考えだ。

手始めに県系移民の多い南米の主要言語であるスペイン語とポルトガル語のうちなーぐち辞典の作成を検討していく。
 ハワイと沖縄は、島しょ圏という共通性があるほか、ハワイ大は琉球諸語など危機言語の研究が盛んで沖縄研究に関するさまざまな蓄積があることでも知られている。
 複数の大学間で連携することで、一大学ではできない研究などに取り組む狙いがある。
 琉球大、名桜大はこれまでハワイ大とはそれぞれ独自に協定を結んできた。ハワイ大は、オアフ島ホノルル市内にあるマノア校をはじめ4年制大学3校、コミュニティーカレッジ(2年制短期大学)7校の計10校を有し「ハワイ大学システム」と総称される。今回の協定は同システムと提携を結ぶ。
 琉球大の大城学長は「まずは来年の世界のウチナーンチュ大会に向け、うちなーぐち-スペイン語辞典の作成などに挑戦していきたい」と話した。
 名桜大の山里学長は「沖縄に関する研究を中心に、どんな連携ができるか考えていきたい。期待している」と話した。
 琉球大と名桜大は、昨年8月にはペルーのパシフィコ大と計3大学で「環太平洋大学コンソーシアム」の形成に関する覚書も締結するなど、国際的な連携体づくりを進めている。