キングス、連覇消える PO西地区準決勝


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キングス―浜松 第1クオーター、インサイドに力強く攻め込むアンソニー・マクヘンリー=10日、沖縄市体育館(普久原裕南撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(レギュラーシーズン2位)は10日、沖縄市体育館で浜松・東三河フェニックス(同3位)とプレーオフ西地区準決勝を戦い、63―70で敗れた。

キングスの2014―15シーズンは幕を下ろし、リーグ連覇の夢はついえた。第1クオーター(Q)からキングスの動きは重く、内外から得点を重ねる浜松に押された。アンソニー・マクヘンリーがインサイドに切れ込んで得点を重ねても浜松をとらえることができず、一時は10点以上の差が開いた。第2Qの序盤も浜松のペースだったが、キングスの守備が激しさを増すと流れが変わった。ドゥレイロン・バーンズの3点弾で追い上げ、36―36で前半を終えた。後半に入ると両チームが点を取り合い、一進一退の攻防になった。第4Qの開始時点で51―51の同点で、終盤に得点が止まったキングスに対して浜松が着実に加点して逃げ切った。(観客3529人)

 【西カンファレンス】
▽準決勝第2戦(浜松・東三河2勝)
浜松・東三河フェニックス(リーグ3位)
70―63(21―12,15―24,15―15,19―12)
琉球ゴールデンキングス(リーグ2位)
(浜松・東三河は西カンファレンス決勝進出)

 【評】1点を争う大接戦の終盤でキングスの力があと一歩及ばなかった。第1Qは浜松が主導権を握り、内外から得点してリードを広げた。第2Qはキングスの勢いが増し、守備からいい形で攻撃を仕掛けて同点に追い付いた。第3Qから互いに点を取り合い、主導権を握れないまま時間が流れた。第4Qの中盤までは接戦になったが、キングスのシュートがリングに嫌われ、浜松に引き離された。(平安太一)

◆対抗できなかった
 伊佐勉HC(キングス)の話 第2戦に勝って第3戦(決定戦)に持ち込みたかったが、浜松の素晴らしいバスケに対抗できずに2連敗をした。選手は一生懸命にトレーニングをして、キングスのため、沖縄を元気にするために働いた。ファンも選手と一緒に戦ってくれた。12人の選手も尊敬できる存在だ。

◆頂点目指したい
 東野智弥HC(浜松)の話 選手が我慢強く集中していた。死ぬか生きるかの戦いですべてを出し切り、どっちに転んでもおかしくない展開の中で選手が頑張った。有明ではブースターとともに頂点を目指したい。

◆最終盤に痛い失点/王者から再び挑戦者へ
 激戦を終えたコートにキングスコールが響き渡る。プレーオフの大一番で敗れた悔しさ。連覇の夢を絶たれた悲しさ。結果は満足のいくものではなかったはずだ。それでも3500人を超える大観衆は立ち上がり、死力を尽くした選手たちをたたえた。「チームメートやスタッフ、たくさんのファンのおかげでここまで来られた」。敗戦にマクヘンリーの表情が晴れることはない。それでも、胸の中には多くの人たちへの感謝の思いがあった。
 両者が一歩も譲らない互角の戦いだった。51―51で迎えた第4Q。浜松がリードをすれば、キングスが食らいつく。キングスが逆転しても、浜松が追い付く。残り5分を切ってキングスのリードは3点。そこから徐々に流れが変わった。
 インサイドを力強く攻める浜松が点を重ねる一方で、キングスのシュートはリングにはじかれた。マクヘンリーは「自分たちもハードにプレーしたけど、浜松が多くのプレーを決めていた」と認めた。
 連覇を成し遂げる難しさと厳しさを味わい、キングスのシーズンは幕を閉じた。「悲しい気持ちもあるが、素晴らしいシーズンを送れたと思っている」。マクヘンリーは仲間やファンと戦い続けた日々を振り返る。そして、「体を休めて健康な状態に戻ったら体育館に戻って練習したい」。王者から挑戦者へ。輝ける舞台を目指すキングスの戦いは終わらない。(平安太一)