県産ナマコ販路拡大へ 沖縄マリンブルー、独自レシピ開発


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沖縄マリンブルーが開発した塩味あんかけの「ナマコ丼」

 名護市の屋我地島でダイビング体験と宿泊施設を展開する沖縄マリンブルー(同市、松田猛代表)が、県産食用ナマコの販路拡大に挑んでいる。県内開催の商談会に参加し、県内外にゆでたナマコを出荷するほか、独自開発したレシピを飲食店で提供する。

通称「黒いダイヤ」と呼ばれ、高級食材として高単価で取引される中国にも、卸業者を通じて流通している。屋我地島はマリンレジャーや民泊も推進しており、同社は島に観光客を誘致する魅力の一つとしても島産ナマコをPRしている。
 屋我地島周辺で捕れるナマコはハネジナマコとフタスジナマコ。白黒で硬いのが特徴だ。内湾でよく見られる。屋我地島ではみそあえやみそ炒めで昔から食べられてきたという。食べるには約2時間ゆでた後、付着している石灰を取り除く下処理が必要になる。
 ナマコの出荷を始めたのは6年ほど前から。中国で高級食材として取引されることを知ったのがきっかけだった。当初は卸業者を通じ乾燥ナマコを中国に出荷していた
 さらなる普及に向け、琉球銀行と沖縄海邦銀行、コザ信用金庫が2013年に初開催した「沖縄の味力(みりょく)発信商談会」に2年連続で参加。現在は大阪の飲食店や本部町のホテルにゆでたナマコを卸す。現在は輸送コストの低減に向け、冷凍状態で送る割高な輸送を避けるため、加熱処理したレトルトの試作にも取り組んでいる。
 バイヤーからの意見を参考に塩味あんかけの「ナマコ丼」も開発し、松田代表の母が経営する「マリン亭」で提供している。塩は屋我地マースを使う。
 まだ出荷量は多くないが、将来は月1トンの出荷を目指す。ただ県内は5年ほど前から中国向け出荷を目的としたナマコの捕獲が急増し、生息量は減少傾向にある。松田代表は「焦らずやっていく」と話す。
 松田代表は屋我地島出身。海人だった父の影響もあり、漁師歴は13年を誇る。
 「屋我地島ではナマコや魚、海藻といったおいしい海産物やマリンレジャーが楽しめる。ぜひ県内外の人に足を運んでほしい」と地域活性化に前向きな姿勢を見せた。