県内3行、純利益30%増 15年3月期連結決算


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 県内地銀3行(琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行)の2015年3月期連結決算が14日までに出そろった。好調な県内景況を背景に、貸出利回りの低下を上回る形で貸出量が増加し、売上高に当たる経常収益の3行合計は前期比14.5%の1171億1800万円と好転した。

企業の業績改善や倒産件数が低水準で推移していることもあって各行とも与信費用が減少し、経常利益の合計は18.9%増の240億500万円、純利益は30.0%増の149億5900万円に上った。
 銀行本業のもうけを示すコア業務純益をみても、琉銀が8.1%増の91億8900万円、沖銀が4.6%増の106億5300万円、海銀が12.5%増の22億9100万円とそれぞれ前期を上回っており、好調さが表れた。
 貸出金(平均残高)は、琉銀が6.4%増の1兆3275億円、沖銀が4.4%増の1兆2549億円、海銀が7.0%増の3883億円で、3行とも個人、法人向けの両方で融資額を伸ばした。貸出金利回りは0.1ポイント以上低くなり、競争による収益性の低下傾向は続いているものの、琉銀と海銀は貸出残高の伸びによって利息収入が前期比増に転じた。
 預金(平均残高)は琉銀が3.6%増の1兆9032億円、沖銀が3.9%増の1兆8131億円、海銀が2.3%増の5909億円。預金利回りについても低下基調が続いており、0.1%以下の水準となっている。
 県内の景況感の良さを反映して不良債権残高は低位で推移しており、3行合計で602億2200万円と前期より4.6%減少した。不良債権比率は1.90%と0.20ポイント低下した。
 貸出量の増加に伴ってリスクアセット(リスクのある資産)も増え、各行の自己資本比率は琉銀が1.35ポイント減の9.15%、沖銀が0.53ポイント減の11.13%、海銀が0.51ポイント減の9.32%にそれぞれ減少した。