「ヤッカヤッカ」響く声 繁栄願いスツウプナカ 多良間


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豊年を願って、暁願いで神酒を回し飲む住民ら=16日午後11時半すぎ、多良間村

 【多良間】豊年への感謝と地域の繁栄を願う多良間村の伝統行事「スツウプナカ(節祭)」が16日、2日間の日程で始まった。同日深夜からは「暁願い」(アカツキニガイ)が行われた。長老たちが読む神歌(ニィリ)と、酒を酌み交わす「ヒーヤ、ヤッカヤッカ」というはやしが静まりかえった島内に響いた。

 神歌を読んだ野原博さん(74)は「昨年はサトウキビ、畜産、葉タバコ、漁業とも好調で、素晴らしい1年だった。多良間も過疎化が進んでいる。過疎が早く解決することを願いたい」と語った。17日は神事をつかさどる神女(ツカサ)や来賓らが、4カ所の祭場を順々に訪れる。
 スツウプナカは、国指定重要無形民俗文化財「八月踊り」とともに多良間村の二大行事の一つ。ナガシガー(長瀬川)、フダヤー(札屋)、パイジュニ(南宗根)、アレーキ(新池)の4祭場で行われる。