軽便与那原駅舎「三郎おじい」人気者に 等身大人形が玄関番


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玄関番をしている“三郎おじい”=軽便与那原駅舎

 【与那原】「あれ! いつもこちらをのぞいている人は、いったい誰だろう?」と思っていたら、等身大の人形だった。開設間もない軽便与那原駅舎玄関脇で、見張り番をしている「馬車スンチャー」の“三郎おじい”だ。

 終戦間もないころまで、与那原地域では荷馬車が中南部への物資輸送を担い、馬車を操る人は「馬車スンチャー」と呼ばれ、幅を利かしていた。
 その名残を惜しむかのように、軽便駅建設を請け負った業者が人形に仕上げた。
 当時、名の知れた“大木のおじい”の写真にそっくりと役場の担当職員は感心した。これは面白いと、今度は町観光ガイドさんたちが“三郎おじい”という愛称を付けて、町民から親しまれている。
 特に子どもたちの間では、まるで自分たちのおじいさんのように実際に手で触れながら「三郎おじい」と呼ばれ、遊び相手になっている。
 きょうも誰か訪れてくれないか、と首を長くして待っている。
(知花幸栄通信員)