120年ぶり“里帰り” 座間味小学校第4代校長・仲吉氏


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 【座間味】座間味村立座間味幼小中学校(上原秀俊校長)は、歴代校長のうち3人の顔写真が見つからずに探していたが、神奈川県藤沢市に住む仲吉洋さん(80)=那覇市首里出身=から第4代校長の仲吉朝悦さんの写真が8日に同校に届けられ、校長室に掲げられた。

 洋さんは朝悦さんの孫に当たる。最近になって祖父の朝悦さんの足跡を調べていたところ、朝悦さんをはじめ同校の歴代校長7人の写真が欠落していることを紹介した2006年3月の琉球新報の記事をインターネットで知り、琉球新報に連絡を取った。
 洋さんは「祖父が座間味小学校の校長を務めていたことは、今回の新聞記事で初めて知った」というが、朝悦さんが座間味で暮らした経験があるらしいことは聞いていたという。「近々ぜひ座間味を訪ねて、当時のことを聞いてみたい」と話している。
 朝悦さんは1894(明治27)年に座間味小学校に赴任し、2年間、校長を務めたが、沖縄戦で学校は焼け、資料や歴代校長の写真などは失われた。
 上原校長は「久しぶりに仲吉校長が戻ってきてよかった。あと2人の校長の写真もぜひ探したい」と話した。
 座間味幼小中学校は1885年に創設され、本年度で130周年を迎えることから、9月には記念式典が行われる。
 同校は10年ごとに開催される記念式典を機会に、欠落した歴代校長の写真を探してきたが、今回仲吉校長の写真が届き、欠落しているのは3代の園田実俊氏、12代の当山真常氏の2人となった。同校は引き続き情報提供を呼び掛け、残る2校長の写真入手に努める。(宮里芳和通信員)

歴代校長の写真が見守る中、座間味幼小中学校の上原秀俊校長(右)に仲吉朝悦第4代校長の写真を届ける琉球新報の宮里芳和・座間味村通信員=8日、座間味小中学校
第4代校長の仲吉朝悦さん