【沖縄】沖縄市の泡瀬干潟で発見された新種の海浜性のクモ、アワセイソタナグモ(和名)の観察会(泡瀬干潟を守る連絡会主催)が16日に開かれた。
アワセイソタナグモはイソタナグモ属の一種で、満潮時に、水中の岩の下に空気をため込み生息できる世界初の種として、2012年に日本蜘蛛学会で報告された。貴重なクモを見つけようと、10人が参加した。
発見者の日本蜘蛛学会名誉会員(理学博士)の下謝名松栄さん=浦添市=がガイドを務めた。埋め立て事業が進む中で、アワセイソタナグモの個体にどのような変化があるのか、参加者は岩をひっくり返しながら、生息状況を確認した。
アワセイソタナグモは3~5ミリの大きさで、脱皮を繰り返しながら成長する。この日は、アワセイソタナグモ2個体、ヤマトウシオグモの2種が見つかり、参加者は約3時間の観察会で写真に収めるなど記録に専念した。
また、岩のくぼみに営巣する生態を持つ、アワセイソタナグモの巣も発見。海水に漬けると、空気を取り込むため膜を張るアワセイソタナグモの特性を観察した。
解説した下謝名さんは「14~15個体が見つかった時もあった。記録が乏しいため、減少傾向にあるのかなど、生息状況については不明だが、今後は陸からどうして海に生息域を拡大したのか研究の課題もあり、環境の保全を保つのは大切」と説明した。