教え子と捜索 親富祖さん、ヤマネコ発見に協力


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「当時は世紀の発見になるとは思わなかった」と語る親富祖善繁さん=20日、那覇市天久の琉球新報社

 「世紀の発見」とされる国の特別天然記念物イリオモテヤマネコの発見に深く携わった親富祖善繁さん(82)=浦添市=が20日、那覇市天久の琉球新報社で開催中の「戦後20年の奇跡~イリオモテヤマネコ発見50年展」を訪れ、50年前の発見について「当時は世紀の大発見になるとは思わなかった。

教え子たちとヤマネコを捜索したのがいい思い出だ」と振り返った。
 親富祖さんは1965年当時、理科の教員として竹富町西表島網取(71年に廃村)の網取中学校に赴任していた。地元の漁師と酒を酌み交わしながら聞いた「大きなネコ」の話に興味を持ち、「ハブ博士」として知られていた琉球大学の高良鉄夫教授に「ヤマネコがいるかもしれない」とはがきを送った。動物作家の戸川幸夫さんには貴重な証拠になった頭蓋骨の発掘などに協力した。
 「イエネコと違い、虎毛はまるでヒョウのようだった。イエネコより一倍半くらい大きくて、足も長くてがっしりとしていた」とヤマネコ発見に至った経緯を振り返る親富祖さん。「地元の人はイエネコだと思っている人も多かった。まさか世紀の発見になるとは。孫と展示会にもう一度来たい」と笑う。
 一方、個体数は現在100匹前後と推定され、絶滅が危ぶまれる中、交通事故による個体数の減少が指摘される現状を心配する。「道路に近づかないよう大声を出したり、警笛を鳴らしたりして『人間に近づくと危ない』と教えた方がいいかもしれない」と新たな保護策の必要性にも言及した。