“ムーチー植物”そろい咲き 名護


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 【名護】旧暦12月8日のムーチー(鬼餅)のころになると、餅を包むためにやんばるではゲットウとクマタケランにアオノクマタケランの葉が活躍する。

 梅雨時になるとその“ムーチー三姉妹”は、そろい咲きだ。美の競演にやんばるの山野は華やいでいる。
 ゲットウは光沢のある白の花びらに、黄色の唇弁が総状に垂れ下がって咲く。クマタケランは逆に、上か斜め上に向かって咲き、唇弁は鮮やかなクリーム色で紅色の筋が入る。葉は一番広い。
 アオノクマタケランはやや小ぶりで、花序を直立させ、長さ20センチほど。白色にわずかに薄い紅色を流し、上品な花だ。
 いずれもショウガ科で殺菌効果があり、やんばるでは葉はおにぎりを包むのに用いられた。ゲットウが強烈な香りを放てば、クマタケランはほのかな芳香がある。アオノクマタケランは香りはないが、乾燥させ小さく切ってタンスに置くと、防虫効果があるといわれる。
(幸地光男通信員)

ゲットウ
クマタケラン
アオノクマタケラン