ひき逃げ容疑米兵「公務外」 日本側、起訴を検討 沖縄市事件


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 2014年12月に沖縄市の県道75号で発生した米兵によるひき逃げ事件について、那覇地検や外務省など日本側当局が、送検された容疑者が公務外に事件を起こしたとして裁判権を放棄せずに日本側で起訴することを検討していることが22日までに分かった。日米地位協定では、米軍人が公務中に事件、事故を起こしたときは米軍側が第1次裁判権を持つと定めている。関係者によると米軍側との本格的な調整はこれから行われるという。

 車を運転していた在沖米海兵隊キャンプ・コートニー所属の少佐(41)は21日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)容疑で那覇地検に書類送検された。
 事件は午前5時ごろに発生した。県警によると少佐は自宅のある浦添市の米軍牧港補給地区から勤務先のうるま市キャンプ・コートニーへ出勤途中に原付きバイクに接触した。捜査関係者によると、少佐は逃走後に米軍関係者の知人宅など複数に立ち寄り、事件の対応などを相談し、コートニーには定時の午前7時半よりも遅く出勤したという。日本側は、事件後に通勤と関係のない場所に立ち寄ったことなどから公務外として起訴する方向で検討している。
 日米地位協定に詳しい池宮城紀夫弁護士は、寄り道を理由に通勤とは別と判断することについて「米軍の一方的な判断を受け入れて来た今までのルーズな判断が、主体的に調査して判断するという本来の形に是正されただけ」と指摘した。