【石垣】八重山の自然環境を学ぼうと、石垣市内の子どもたちが16日、同市の於茂登岳に登り、生息する昆虫や動植物を観察した。市立博物館が主催する「こども博物館教室」の第1回講座で児童41人が参加し、生き物を探しながら登山を楽しみ、自然の豊かさに感じ入っていた。
自然観察は於茂登岳山頂でこの時期だけ成虫が発生する、県指定天然記念物アサヒナキマダラセセリを中心に観察するため実施された。アサヒナキマダラセセリは石垣島と西表島の山地の山頂部でのみ繁殖するチョウの一種で、この日は数匹を確認した。
講師の田窪亮三さんは「たくさん飛んでいると思ったが、少し気温が高くなり繁殖の条件が悪かった」と、児童たちと残念がった。
それでも児童たちは、ヤエヤママルヤスデや毛虫のヤマンギなど他の昆虫などを間近で見ることができ喜んでいた。
田窪さんは「八重山は希少生物が多い。しかし禁じられているのに、捕っていってしまう人がいる。守っていかないといけない」と保護の大切さを呼び掛けた。
市立平真小5年の吉本仁さん、石垣聖空(せいあ)さん、平田誇(ほこる)さんは「いろんな昆虫を見ることができてうれしかった」「空気も気持ちよかった」などと話した。