【交差点】沖縄芸能の魅力


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 浦添市を拠点に活動する太鼓グループ「鼓衆若太陽」のメンバー10人を香港に招いた。太鼓を中心にエイサーや三線などの伝統芸能を織り交ぜ、3日間で4カ所、9回公演という強行日程。チャーター便運航と県産品海外展開戦略構築事業を展開している好機に、パンフレットや映像では表現できない沖縄の魅力を伝えたいとの思いで実施した。
 香港大学、スーパーのオープン記念イベント、沖縄料理店で行った公演は大いに盛り上がり、シャイな香港人にカチャーシーを踊らせた。また日程の合間を縫って行った児童養護施設での慰問公演で子どもたちのはしゃいだ姿に私たちは大いに勇気づけられた。
 旅行商品のPRもうまくいき、事務所への問い合わせも確実に増えてきている。「沖縄に移住したい」という相談には正直、驚かされた。チャーター便集客も上々。余韻が残っているうちに次の手を考えている。
 訪れなければ見ることのできないもの。沖縄にはメジャーで活躍するアーティストも多いが地域に根を張る芸能もすそ野が広い。シマではぐくまれる芸能は狭いはずの沖縄を味わい深い観光地にしている。
 観光誘客に携わる者として、担い手の皆さんには頭が下がる思いだ。私自身は全く芸がなく泡盛の力を借りなければ歌うこともできないが、ほかは何でもしようと、目下、教わった指笛を特訓中。
 沖縄の鼓動は香港に沁(し)み渡った。鼓衆の皆さん、イッペーニフェーデービル!
 (宮城 石(つよし)・沖縄県産業振興公社香港事務所長)