「若者が時代けん引」 中根さん、戦後語る


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自身の体験を振り返り、コザの戦後史を語る元県議の中根章さん=20日

 【沖縄】戦後史を記録する会「コザ・沖縄の戦後史と中根章」が20日、市戦後文化資料展示室ヒストリートIIで開催された。講師は元県議の中根章さん(82)が務め、沖縄戦時の体験から、戦後の胡屋青年会長としての活動、嘉手納基地内で軍作業員として勤務した生活の様子を語った。

 中根さんは1932年の旧越来村胡屋生まれ。沖縄戦は13歳の時に経験した。米軍上陸当日の45年4月1日、本島北部へ避難を開始。5日間かけて、名護市源河までを家族と共に逃げ惑った。中根さん家族はその後、「首里では日本軍が勝利した」との一報を聞いた。南を目指して移動を始めたが、ブート岳で潜んでいたところを米軍に保護された。
 戦後は地元である胡屋の青年会長やコザ市議を務めた。
 嘉手納基地内にある将校クラブで従業員を務めながら、ウイスキーや食料を米軍から盗んだ「戦果アギヤー」としての体験を語った。
 中根さんは島マスさんが開設した戦災孤児を救護する施設「女子ホーム」の井戸建設や労働組合活動にも触れながら、「当時は青年団員が政治活動、組合活動などをけん引し、戦後復興の一翼を担っていた」と語った。