名画触れ生きる力に 浦添・浅野浦公民館で健康サロン


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尾形光琳の絵画を鑑賞する参加者ら=21日、浦添市伊祖の浅野浦公民館

 【浦添】国宝級の絵画を楽しみ、日常をより生き生きと過ごそうと、浦添市伊祖の浅野浦公民館で21日、「健康法としての美術文化」が行われた。毎月第3木曜日に地域の人を対象に開催している「ふれあいサロン」の一環で、25人が参加した。

 江戸時代の画家・尾形光琳(こうりん)が描いた国宝「紅白梅図屏風(こうはくばいずびょうぶ)」の実物大の複製品が、MOA会館(那覇市首里)から運ばれ、MOA美術文化インストラクター沖縄地区統括マネジャーの翁長淳さんが絵の説明をした。今年は尾形の三百年忌に当たることや、絵の中に描かれている梅の木と川が「静と動」を表していること、右の紅梅は若く左の白梅は成熟した樹木であることなどを解説した。
 参加者らは引き続き、一輪差しと生花を自分で選び花の生け方を教えてもらい、お茶と茶菓子に親しんだ。企画したふれあいサロンの担当者で、MOA美術文化インストラクターの玉城敏子さんは「複製品とはいえ、国宝級の絵に親しむ機会は少ない。感動する心を育み、生きる力につながってほしい」と語った。
 参加者の一人、宮城京子さん(83)は「絵の意味を知ることで、奥深い作品だと知った。説明に胸を打たれた。お花も花瓶ごと持ち帰ることができ、とてもうれしい」と話していた。