津堅の消防団員結束 船とヘリで急患搬送訓練


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ドクターヘリへの誘導訓練をする参加者ら=15日、津堅島の市立津堅小中学校

 【津堅島=うるま】救急患者の搬送を想定した訓練が15日、うるま市勝連の津堅島で行われた。津堅島は与勝半島の平敷屋漁港から出るフェリーに乗り約30分かかる。市消防団の津堅分団7人と、市消防本部、中城海上保安部、県ドクターヘリなどが参加した。15日午前は中城海上保安部の巡視艇で、午後は県のドクターヘリで急患を搬送する訓練をした。

 うるま市内唯一の船で行く離島・津堅には中部病院付属津堅診療所がある。本島への搬送が必要な急患が出た場合、日中はヘリで、夜間は巡視艇で運ぶ。
 診療所の次呂久英太郎医師によると、昨年度はヘリで約10件、巡視艇で5件の搬送があった。島内で自営業をしている人や漁師など12人が所属する消防団が急患の搬送や消火をする。
 訓練では診療所の医師が午後3時35分にヘリの要請をした。読谷村の駐機場を離陸したヘリが51分に津堅小中学校に到着。要請から16分だった。
 島の消防団員がヘリのパイロットや市消防本部から助言を受け、離着陸の誘導や、搬送車からヘリへ患者を収容する訓練をした。
 県で10月から一部運用が開始される県消防通信指令センターの準備を進める県消防通信指令施設運営協議会も交え、ドクターヘリの運用などを情報交換した。
 消防団の幸良直光分団長(55)は「きょうだけで十分な訓練とはいえないので、今後も消火器の使い方などを訓練したい」と述べた。
 市消防本部の新垣隆警防課長は「人口が高齢化し、消防団員も島にいない時もあるので、若い人の協力も募っていきたい」と話した。