オナガミズナギドリ放鳥 名護で迷い保護


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 【名護】名護市で衰弱し保護されていた海鳥のオナガミズナギドリが5月29日、空に放たれた。屋我地鳥獣保護区管理員の渡久地豊さん(52)によると、県内で確認されるのは珍しい。世話した獣医師の山岸真貴さん(24)は「指をかまれながら餌をあげ続けたかいがあった」と喜んだ。

 オナガミズナギドリは国内では小笠原諸島や硫黄列島で繁殖のため確認される。台風7号の影響で餌が確保できず、通常は見られない名護市に迷い込んだ可能性がある。
 名護市に住む男性が25日午前、市内で保護し、同市大北のヤンバル動物診療所に預けた。保護当時、衰弱していたという。水分と栄養を補う注射や強制給餌を続け、体力を回復した。
 オナガミズナギドリは、砂浜に放たれるとうずくまり、押し寄せる波の音に耳を傾けていた。ひときわ強い風に反応し、一気に羽ばたいた。
 同診療所獣医師の畑大二郎さん(41)は「放鳥まで思ったより早くたどり着けた。仲間の元に無事帰ってほしい」と期待を込めた。
 体長は42センチで、羽を広げると103センチあった。海風に乗るための細長い羽と、魚を食べるための鋭いくちばしが特徴。水かきのあるピンクの足には今回、標識が付けられた。

オナガミズナギドリを放ち、見守る人たち=5月29日、名護市
保護されたオナガミズナギドリ