琉球大学(西原町、大城肇学長)は2016~21年度で全学的な学部・学科の再編を検討している。教育学部(定員190人)の生涯教育課程(定員90人)を早ければ17年4月にも廃止する方向であるほか、工学部夜間主コースの廃止も検討している。法文学部と観光産業科学部の再編案も浮上している。琉大側は、大学全体の総定員は現状を維持したい考えで、薬学部、獣医学部、醸造学科などの新設構想もある。
琉大が大規模な再編に乗り出す背景には、文部科学省が推し進める大学改革がある。特に教員養成系学部や人文社会科学系について文科省の評価委員会は「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めること」とした通知案を昨年8月とことし5月に公表しており、国立大学は文系学部の整理を迫られている。
琉大の教育学部は学校教育教員養成課程(定員100人)と生涯教育課程で構成。教育学部側は、生涯教育課程廃止による定員減は教職希望者を含む入学希望者の門戸を狭めることになるとして、教員養成課程の定員増を国に求める考えだ。
生涯教育課程が担っている栄養士や心理士養成機能は農学部や法文学部への移管を検討している。一方で実学偏重になるとの懸念もある。