マイナンバー 県内企業は対応19%、安全対策0%


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 国民一人一人に番号が割り振られるマイナンバー制度が2016年1月に始まるのを前に、制度への対応を進めている県内企業が2割弱にとどまっていることが分かった。このうち、情報管理の重要項目にあがる「情報セキュリティーの整備(情報漏洩(ろうえい)防止など)」への安全対策は0%だった。

 企業には、従業員の源泉徴収票や社会保険料の支払い・事務手続きなどでマイナンバーの取り扱いが求められており、来年1月を前に情報システムを整える必要がある。準備が間に合わない企業が出てくる可能性がある。
 帝国データバンク沖縄支店が8日までに発表した。調査は4月16日から30日にかけて県内企業157社を対象に実施し、51社から回答を得た。
 マイナンバー制度を「内容も含めて知っている」は全体の27・5%、「言葉だけ知っている」が62・7%、「知らなかった」は5・9%だった。
 システムへの「対応は完了した」が0%、「対応中」は19・6%、「予定はあるが、何もしていない」が41・2%と最多だった。「予定なし」が3・9%、「分からない」が35・3%と、マイナンバー制度への対応状況についての進捗(しんちょく)率は、平均11・3%にとどまった。制度について多くの企業が認識を持っているものの対応が進んでいない実態が浮き彫りになった。
 また「対応は完了した」「対応中」のいずれかを回答した企業10社に対して、具体的にどのような対応を行っているかを尋ねたところ、「給与システム(源泉徴収票など)の更新」と回答した企業が約7割で最も多かった。マイナンバー制度への対応の負担額は平均約71万円と推計されており、企業からは「あと半年で対応できるのか大変不安」「対策にかかる費用については税金で賄うか、最悪でも補助金などの対応がほしい」などの声が上がった。
 帝国データバンク沖縄支店は「具体的に何をすればよいか分からない企業は多い。企業の費用負担を早期に明確にするためにも、政府は企業や個人に対して、より効果的に制度の理解を図っていかなければならない」とまとめた。

マイナンバー制度の認知
マイナンバー制度への対応状況