オスプレイ飛行、日米合意の順守必要なし 普天間担当官


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日本記者クラブ沖縄取材団の取材に応じる米軍普天間飛行場のディマース航空安全担当官=10日午後、宜野湾市の同飛行場

 日本記者クラブ沖縄取材団は10日午後、米軍普天間飛行場を訪問し、同基地のピーター・リー司令官やクリストファー・ディマース航空安全担当官らを取材した。

同飛行場に配備した垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが市街地上空をヘリモードで飛ばないと定めた日米合意について、ディマース氏は「その取り決めを実際に書いていない者としては、安全に飛行するために定められた(別の)飛行基準に従って飛ぶ」と明言し、日米合意を順守する必要はないとの認識を示した。海兵隊はこれまで「できる限り守る」などと述べ、日本政府も順守を求めていた。
 ディマース氏は自らが示した「飛行基準」について「地元への影響を最小限にすることを踏まえて作られている」と強調した。「いかなるモードでも飛行できることが安全な飛行運用を可能にする」とも述べ、日米合意にあるヘリモードの禁止などの制約は加えるべきではないとの見解を示した。
 普天間所属のオスプレイは12年の日米合意後も市街地上空でヘリモード飛行を繰り返す様子が再三確認され、県も国に合意違反を指摘していたが、13年7月には防衛省が県に「違反の確証は得られていない」と回答していた。一方、ディマース氏は今回、日米合意による飛行運用ルール自体を否定した形。
 先月ハワイで起きた普天間所属機と同型のオスプレイの墜落事故についてディマース氏は「オスプレイは海兵隊のあらゆる航空機の中で最も安全な機種の一つだ」と強調する一方、「残念ながら事故は完全に避けられない」と話した。
 リー司令官は米海兵隊が駐留拠点を沖縄に置かなくてはならない根拠を問われ「岩国など日本本土にも基地はある。沖縄は政府間で決められた分散配置の一部だ」と述べるにとどめた。