ハラール料理決め手 OCVB、イスラム教徒調査


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ムスリム受け入れに関する実態調査結果(クリックで拡大)

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、上原良幸会長)は10日までに、「ムスリム(イスラム教徒)受け入れに関する実態調査」の結果をまとめた。海外に住むムスリムへのアンケート調査では、全ての回答者が旅行する際に重要視することとして「ハラールを考慮した料理がある」を回答。

豚肉や酒を口にできないイスラム教の教えにのっとった「ハラール食」への対応が、ムスリム誘客の決め手になることがあらためて浮き彫りとなった。OCVBは調査結果を県内の環境整備や支援策の立案に活用する。
 調査は2014年9~10月に実施。海外現地のムスリム、海外現地旅行社、県内への旅行者、県内在住者、県内観光従事者を対象とし、回収サンプル数の合計は442件だった。
 主に東南アジア諸国連合(ASEAN)地域を対象とした海外現地ムスリムへの調査では、訪日旅行の際の重要度として「とても重要」「重要」の回答を合わせた割合が「食事、飲物・物品の原材料表記」で100%、「ハラール認証の有無」も99%に上った。
 このほか「礼拝場所」98%、「体を清める洗い場」95%、「マット・コーランの貸し出し」94%と高い傾向にある。
 「旅行地選定の決め手となるポイント」については、航空券や宿泊費用を示す「価格」が71%で最も高かった。次いで「料理」が42%と多く、「気候・季節」40%、「歴史・文化」40%と続いた。
 イスラム圏から沖縄を訪れた旅行者にムスリム対応に対する満足度を聞いたところ、「礼拝場所」や「マット・コーランの貸し出し」は半数以上が「満足」と答えた。これに対して「ハラールを考慮した料理がある」は45%、「食事の原材料表示」は36%と低い傾向にあり、食に関する受け入れ環境には課題が残った。
 県内観光従事者への調査では、ムスリムの受け入れ実績がある事業者は19%にとどまる。「今後ムスリムを受け入れたいか」との問いには、「はい」が36%、「分からない」が30%、「いいえ」が26%と分かれた。受け入れを希望する理由は「新たな市場が開拓できる」が96%を占めた。
 結果の詳細はウェブサイト「沖縄インバウンドネット」で確認できる。
英文へ→Availability of Halal food is key factor for attracting Muslim travelers: survey