人手不足が過去最高 4~6月期、県内法人企業調査


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従業員数判断BSI(原数値)

 沖縄総合事務局財務部が11日に発表した4~6月期の県内法人企業の景気予測調査で、6月末時点の人手不足の判断指数が過去最高値となるプラス36.7に拡大した。業種別では運輸・郵便業と卸・小売業、ホテルなどのサービス業で人手不足が顕著となっており、規模の小さい中堅、中小企業ほど人材確保が進まない深刻な状況が表れた。

 田中敏貴部長は「全国比でも圧倒的に高い数値で、従業員の確保がかなり難しくなっている。雇用のミスマッチが要因にあり、先行きにも楽観的な見通しは持てない」との見方を示し、好調に推移する県経済の足を引っ張る材料とならないか懸念を示した。
 景気が「上昇」と答えた企業の割合から「下降」と答えた企業の割合を引いた4~6月期の景況判断指数(BSI)は、全産業でプラス1.6の上昇超となった。上昇超幅は前期(1~3月期)よりも8.3ポイント縮小したが、田中部長は「例年4~6月期は下落する傾向があり、季節的な要因を反映している。沖縄のBSIは全国上位にあり、引き続き景況感はいい」と伸べた。
 業種別に見ると、製造業がプラス23.5と下降超から上昇超へと転じたのに対し、非製造業はマイナス1.9と上昇超から下降超に転じた。建設業で年度明けの一服感が見られたほか、運輸・郵便業は機材点検による稼働低下に加えて運転手不足の影響があった。
 景況の先行きは7~9月期の見通しが全産業でプラス28.5で、上昇超幅が拡大する予想となっている。
 雇用については、6月末時点の従業員数を「不足気味」と判断する企業の割合から「過剰気味」とした企業の割合を引いた従業員数判断指数(BSI)が、前回の3月末時点調査から8.1ポイント拡大した。2004年に現在の調査形式となって以来の最高値を、2調査連続で更新した。
 規模別では、資本金10億円以上の大企業がプラス10.0で不足超幅は前回調査から半減したのに対し、中堅企業はプラス41.9、資本金1億円未満の中小企業はプラス42.0と人材不足感が強まっている。