ハワイ、沖縄 姉妹都市きょう30年 来月、オアフ島で現代版組踊


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練習に励む屋良奈々美さん(手前右)と県系人の若者ら=5月、ハワイ州ホノルル市の慈光園本願寺

 県と米国ハワイ州の姉妹都市の締結から14日で30年を迎えた。7月にハワイ、10月に沖縄でそれぞれ政府や民間団体の関係者が参加する式典を予定している。このうち7月12日(ハワイ時間)にはオアフ島のハワイ沖縄センターで、新作現代版組踊「DRUMS OF HOPE ~希望の鼓動」(演出・平田大一さん、制作・シャーリー玉城さん)が公演される。節目の年を盛り上げようと、出演するハワイ県系人と沖縄の若者らが4月から本番に向けて練習に励んでいる。

 島人Lab(しまんちゅラボ)のスタッフで、現代版組踊「肝高の阿麻和利」出演経験のある屋良奈々美さん(21)=宜野湾市=は4月からハワイに渡り、現地の県系人らと共に特訓中だ。
 舞台「希望の鼓動」は、沖縄とハワイの間で「自分は何者か」とアイデンティティーに揺れる主人公らの物語が柱。戦争や津波などの災害の歴史をたどりながら、伝統文化を次世代に伝える大切さを歌と踊りを交えて展開する。
 ハワイや沖縄、東日本大震災の被災地福島からも加わり、各地域で活躍するエイサー、獅子舞、琉球舞踊、空手、太鼓の各団体の若者総勢200人が共演する。
 ハワイで県系人社会の絆の強さ、沖縄文化を実感したという屋良さんは「双方の若者がハワイに集い出演する舞台は、沖縄で味わうことのできない感動を観客と出演者に与えるはずだ」と来場を呼び掛けた。
 ハワイで獅子舞に取り組むハワイ・オキナワ・クリエーティブ・アーツ(HOCA)の団員で、県系4世のジョエル糸村君(15)は「ハワイに暮らす県系人のお年寄りも、僕らの獅子舞などを見て喜んでくれる。沖縄文化を学び、守っていきたい」と意気込んだ。
 現地で指導した平田さんは「若者が双方の共通の歴史や文化、芸術を学ぶ機会になる。世界ウチナーンチュ大会を来年に控え、今回の公演が新たな結束づくりにもなる」と語った。
 同公演は毎年ハワイで開催する「ハワイエイサードラムフェスティバル」の5回目の位置付け。当日は昼、夜の2回公演。入場料は30ドルから。問い合わせは島人Lab(電話)098(996)4108。(島袋貞治)