【南城】ハワイで現代的な創作獅子舞を演じる10~20代の若者によるハワイ・オキナワ・クリエーティブ・アーツ(HOCA)の団員らが、沖縄各地の獅子舞を学ぶスタディーツアーで来沖中だ。南城市大里稲嶺や浦添市勢理客、南風原町宮平などの獅子舞や県内各地の創作エイサーの団体を訪ね、合同練習を通じて交流を深めている。
このうち10日に訪れた南城市大里稲嶺では、約400年伝わる稲嶺の獅子舞を学んだ。獅子舞演舞と併せて区民が祈りをささげる拝所も巡り、獅子舞が地域に根付き、祭事や精神文化と密接に関わっている沖縄文化を体感した。
HOCAの団員は稲嶺の区民と共に、センターに祭られている獅子頭を拝んだ。獅子と共に集落発祥の地であるミーヤーや獅子毛(ししもう)を旧道を通って巡り、拝所に手を合わせた。
センターでは区の高校生も舞方の演舞を披露。稲嶺伝統芸能保存会が、眠っている獅子を起こす役のワクヤーと獅子舞を演じ、同会の新垣盛広会長(64)が解説した。
県系人のデーン糸村君(17)らは実際に獅子舞の手ほどきを受けた。デーン君は「本物の生き物のように獅子を動かすこつを学んだ。獅子に敬意を払うのはすごくいいことだと思う」と目を輝かせた。
中村栄区長(65)は「稲嶺の獅子舞は区民にとって精神面のルーツだ。今後も区とHOCAの交流を続けたい」と語った。6日に来沖したHOCAは15日まで滞在する。14日はうるま市きむたかホールで上演される現代版組踊「肝高の阿麻和利」の夜の回でも共演する。(内間安希)