糸満中18期「魁鮮」 “心一つ”ハーレー完走目指す


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ハーレー本番に向けて練習するチーム「魁鮮」のメンバーら=10日、糸満市の糸満漁港

 【糸満】旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に行われる糸満ハーレーを前に、会場となる糸満漁港では出場者が連日、練習に熱を込めている。その中に、糸満中学校18期生で結成するチーム「魁鮮(かいせん)」の姿がある。メンバーは全員65歳。練習で港を2往復すると息も絶え絶えだが、「勝ち負けじゃない。気持ちを一つに完走を目指す」と意気込んでいる。

 メンバーの職業は元校長やタクシー運転手、自営業とさまざまだ。就職で糸満を離れたが、最近戻って来た人もいる。
 卒業後、それぞれの人生を歩んできた同級生たちが還暦を過ぎ、ふるさとの伝統行事を通して再び友情を深めようと、職域ハーレーへの出場を決めた。
 メンバーの大城茂夫さんは「この年になると、退職して家にこもる人も多くなる。同級生たちの居場所をつくりたい」と出場に込めた思いを語る。
 大会当日は、応援を名目に多くの同級生が集まれるように会場にテントを設営するという。
 2年前に沖縄市から糸満市に戻ったタクシー運転手の仲西安夫さんは、息子の虎太郎君(7)と共にハーレー船に乗る。
 安夫さんによると「コザっ子」の虎太郎君だが、船に乗り、メンバーの櫂(かい)さばきに合わせて鉦(かね)を打ち鳴らす姿は、すっかり糸満のハーレーシンカ(こぎ手)の一員だ。「同級生が参加を呼び掛けてくれた。息子も一緒にいい思い出をつくりたい」と笑顔で話した。
 糸満ハーレーは、19日午前9時15分から糸満漁港中地区で開かれる。