アグーのゲノム解読 県畜産研究センター 品種改良、効率化へ


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琉球在来種「沖縄アグー豚」=(県畜産研究センター提供)

 県畜産研究センターは16日、琉球在来種「沖縄アグー豚」のゲノム(全遺伝情報)の解読に成功したと発表した。

今後、解読したアグーの遺伝子情報を基に、肉質に重要な影響を与える遺伝子を特定することで、肉質を改良しアグーのブランド力を強化する。
 ゲノムは親から子へと伝わる遺伝情報で、生命の基本設計図。県畜産研究センターは20頭のアグーの血液を採取し、1年かけてゲノムを解読した。
 アグーは、一般豚に比べて脂の食感や香りを決定付けるうま味成分「オレイン酸」と脂が豊富に含まれる。
 しかし、これまでオレイン酸や脂が多い理由は解明されていなかった。畜産研究センターは今後、解読したゲノムを基に、アグーのうま味を特徴付ける塩基配列を解明し、簡単に見分けられる方法を開発する。この方法を使うと品種改良は約2カ月に大幅短縮される。
 従来のアグーの品種改良は、アグーと他品種を掛け合わせた交配種に、子豚を生ませて実施していた。この方法は子豚を肥育した上で実施するため、約2年半から3年を要した。
 アグーは、品種改良が他品種に比べ遅れており、肉質にばらつきがあった。このため県は、アグーブランド豚の効率的な改良システムを構築するため、2005年からブランド強化事業に取り組んでいる。