【東京】森本敏元防衛相は17日、日本記者クラブで会見し、米軍普天間飛行場の移設先について「九州の南、西半分のどこかにあれば、抑止力は落ちるが、何とかやっていける」と述べ、軍事上は県外移設が可能だとの認識を示した。
森本氏はこれまで、海兵隊の陸上、航空、後方支援部隊をまとめたMAGTF(マグタフ=海兵空陸任務部隊)が「日本の西半分のどこかに、機能する状態ならば(普天間の移設先は)沖縄でなくてもよい」との認識を示していたが、より踏み込み、九州の南方と西方を移設可能な場所として初めて言及した形だ。
森本氏は「沖縄だったら抑止力だ、隣の鹿児島県なら抑止力にならない、そんなことがあり得るのか。軍事的にはナンセンスだと思う」と指摘した。九州の南方、西方への移設が軍事上可能な理由として「陸上連隊と揚陸艦、飛行部隊、後方支援部隊が三位一体となって戦力を発揮できる」とし「そこ(九州)から東側は明らかに中国から見たら(米軍が)引いていった、出てこないと思われる」との持論を展開した。
一方、民主党政権時に全国各地の候補地を検討したことを強調した上で、県内移設の利点として「抑止をするときに、戦略的に効果的な場所にある」との考えも示し、政治的な観点を含めると沖縄が効果的だとの考えも述べた。
防衛相在任中に移設候補先として上がった鹿児島県徳之島への移設について「報道が出ると反対者がどんどん出てきてつぶされる。だから政治的に無理だ」と説明した。その上で「政治的に円満に解決し、どうぞ使ってくださいという県があれば(県外移設の)交渉の余地がある」との考えを示した。