輸送強いゴーヤー「てぃだみどり」 冬春出荷、県が新品種


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(右から)冬春期に県内で収穫される「汐風」と新しく開発された「てぃだみどり」

 県農林水産部は16日、輸送に強いゴーヤーの新品種「てぃだみどり」を発表した。ゴーヤー特有の突起に丸みをつけたことで、輸送や販売時の傷みを最小限に抑えることができ、商品価値の向上につながる。8月から、JAおきなわを通じて生産農家へ苗の供給を始める。

 県内で生産されているゴーヤーは、夏場に出荷する「群星(むるぶし)」「夏盛(なつさかり)」、春から秋にかけて露地で栽培される「島風」、冬春期出荷の「汐風」の4種類ある。
 これまで、冬春期(12月から翌年5月まで)出荷用ゴーヤーは「汐風」の1種類のみだった。冬春期は、低温で突起が鋭くなりやすく輸送時の摩擦によって突起が黒ずんでしまうという課題があった。そこで県農業研究センターは2001年から、突起が丸みを帯びたゴーヤーの研究に着手した。突起を丸めることで、梱包(こんぽう)時に発生する摩擦を低減し、商品価値の向上につなげることができる。
 「てぃだみどり」は「汐風」に比べて突起が丸く色が濃いのが特徴。10アール当たりの収量も汐風と同じ約6トン前後で、高品質なゴーヤーの安定供給が期待できる。
 8月からは県内の農家を対象にJAおきなわで1本135~200円前後で、苗の販売を開始する。早ければ11月にも収穫可能だという。問い合わせはJAおきなわまで。