【キラリ大地で】アメリカ トリー・西中・レオンさん(二世ウイーク女王)


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ゴルフコンペが始まる前にグリーン上でポーズを取るトリーさん=5月29日、モンテベロ・ゴルフコース

視力鑑定士目指し奮闘
 第74回二世ウイーク女王に選ばれたトリー・西中・レオンさん(25)はことし7月いっぱいでクイーンとしての任期を終え、8月からは新しいクイーンにバトンを渡す。本紙にロサンゼルスの二世ウイーク女王が紹介されたのは、タムリン・トミタ、ジャネル・ハマバタ、デイナ・ヘザートン、ラニー・ニシヤマとトリー・レオンら5氏の容姿端麗な女性である。トリーさんのプロフィルと将来への展望に触れてみたい。

 トリー・レオンさんはロサンゼルス市の隣接都市パサデナでメキシコ系アメリカ人の父と沖縄系3世の母との間に生まれた。
 祖父がプロゴルファーだったこともあり、幼少のころからゴルフに強い興味があった。高校生のころにはドライブの飛距離が260ヤードを出すほどだったという。父は盛んにトリーさんにプロになることを勧めた。
 自身もプロを目標として励んだ時期もあったが、叔父が実際プロになって若いうちに死んだ。それだけでなく、プロになったらスーツケース一つで毎週、アメリカ国中を旅しなければならない。家族思いが強いトリーさんは「トーナメントを続けていたら、家族で一緒に暮らすことが難しくなる。第2の家族と思っているアメリカ日系社会へ貢献することもできなかっただろうし、二世ウイーク女王になることもなかっただろう」と振り返る。
 トリーさんの祖母エンジェル・西中さんは県系2世で、カリフォルニアに移住した移民の娘で、7人の子どもをシングル・マザーとして育て上げた不屈の精神の持ち主。トリーさんはその精神を受け継いでウチナーンチュの志を誇りにしている。ロサンゼルス郊外のオキシデンタル大学で心理学を学び、現在プロの視力鑑定士になるために励んでいる。
 トリーさんは、自身の中の沖縄について「学校でほとんど習わなかった。私が知っている沖縄は空手の発祥の地であり、独自の文化と芸能を持つ豊かな島だ。人々は誠実で勇気に満ち、内面に平和を希求する志が見える。第2次世界大戦で島全体が焦土と化し、絶大な被害を被ったにもかかわらず、県民は忍耐強く復元力に満ちている。私の体内に沖縄の血が通っていることを切に誇りとしたい。2016年のウチナーンチュ大会にぜひ出席したい」と話した。
(当銘貞夫通信員)