辺野古監視委 内部から疑問、不満「委員の責務曖昧」


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴い、沖縄防衛局が設置した環境保全策を検討する環境監視等委員会の第4回会合(4月9日に東京で開催)で委員が会の在り方に疑問を投げ掛けていたことが分かった。

 防衛局が26日にホームページで公開した議事要旨によると、委員から「委員会の責務が非常に曖昧」「(助言の)判断材料がなかった」などと指摘する声が上がっていた。識者からは委員会について「機能していない」と批判が出ている。
 会合では、委員の指摘を受け入れず具体的説明もなく、浮標灯(ブイ)設置用のコンクリートブロックを海中に投下し、サンゴを破壊した問題などについての議論がされ、委員から「(サンゴ破壊の件は)防衛省のやり方に問題があったのではないか」などとの指摘があった。
 委員からは会自体が承認・審査をするものではなく、指導・助言を与えるものであるとしながらも「検討した結果や助言した内容が適正に履行されることが担保されなければ、同じことが繰り返されるのではないか」との疑問が呈された。
 委員長の中村由行横浜国立大学大学院教授は「助言に責任が残ることを踏まえると、いかに助言が適切に実行されるかという点で、確認体制のつくり方、運用の仕方をもう少しきちんとしなければならないと思う」と整理した。
 環境監視等委員会は仲井真弘多前知事が埋め立て承認の際に求めた留意事項により設置された。監視委員会について、県環境影響評価審査会の宮城邦治会長は「工事そのものを監視し苦言を呈する機能を果たしていない」と批判した。