戦後支えた100曲再現 石垣で八重山音楽協会


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戦後から本土復帰までの間に八重山地域で作られた歌曲を歌い上げる関係者ら=28日、石垣市民会館

 【石垣】八重山音楽協会(浦添幸子会長)は戦後の苦しい時代を後世に伝えようと戦後70年企画として、戦後から本土復帰までの間に八重山地域で作られた歌曲100曲を掘り起こした。

その記念コンサートとして28日、石垣市民会館で「よみがえれ!ふるさとの歌」を開催し、うち約30曲を披露した。
 昨年6月ごろから始めた掘り起こし活動は図書館で当時の新聞から記事を捜そうとしたが、ほとんど載っておらず難航した。その後、聞き伝えで当時作られ歌われた歌曲を知る人に当たり、音源や資料などを捜し出した。自ら提供する市民も出てきた。中には実際に歌ってもらい復元した歌曲もあり、当初見込んでいた70曲を上回る歌を再現することができた。
 協会によると、歌曲は戦後復興に向けて地域の人たちを励ましたり、奮い立たせたりするような歌が多いという。会場には多くの市民が訪れ、復興に尽力した当時の様子に思いを寄せながら聞き入っていた。
 浦添会長は「苦しい敗戦直後の時代に歌に慰められ、励まされてきた。しかし作った多くの人が世を去り、口ずさんだ人も高齢化している。今回のコンサートが後世に伝えるきっかけになってほしい」と期待した。