【東京】23日の沖縄全戦没者追悼式で安倍晋三首相に参加者から怒号が飛んだことについて、自民党前青年局長の木原稔衆院議員がインターネットの動画番組で「明らかに動員されていた」と述べ、怒号を浴びせた参加者が「動員」によるものだったとの認識を示していたことが明らかになった。動画で木原氏は式典を「異様な雰囲気」とも述べ、式典で首相に怒号が飛んだことを問題視している。一方、木原氏は「動員」が、どこによるものなのかは明確に語っておらず、事実関係が不透明なまま発言した可能性がある。
木原氏は自民党若手議員から報道機関を批判する意見が相次いだ勉強会「文化芸術懇話会」の代表。木原氏は勉強会の問題が明るみに出たことで、責任を取る形で27日に党青年局長を更迭されている。
木原氏の発言は25日の動画サイト「チャンネル桜」で配信されていたが、現在は動画が非公開となっている。木原氏の事務所を通じて事実確認や木原氏の見解を求めたが、同事務所は「ノーコメント」と述べた。
動画で、木原氏は式典に出席した際、安倍首相のあいさつで怒号が飛んだことについて「私は政治家ですから、たくさんの式典や集会などを見ているので皮膚感覚でよく分かる」として、怒号を浴びせかけた参加者は「動員」との見解を示していた。その上で式典が「異様な雰囲気」になった原因は「動員」と「県が主催していたこと」などと分析した。
県平和援護・男女参画課によると、式典には戦没者の遺族のほか、金属探知機を通れば、一般入場も可能だった。