宮森小事故、語り継ぐ意義考える 島根の高校生、現場で実感


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キリスト教愛真高校の生徒8人を前に、事故や継承について話す久高政治会長=26日、うるま市立宮森小学校

 【うるま】18人の犠牲者を出した56年前の宮森小学校米軍機墜落事故を学ぼうと6月26日、島根県からキリスト教愛真高校の生徒8人がうるま市石川の事故現場や、市役所石川庁舎の常設パネル展を訪れた。NPO法人石川・宮森630会の久高政治会長が今も続く遺族の苦しみを話し「なぜ私たちが遺族の傷を逆なでするような活動をしないといけないか、皆さんに考えてほしい」と話した。

 生徒8人は6月22日から、県内の戦跡や名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前などを巡る平和学習を基軸とした修学旅行で来県した。
 26日午前は、久高会長の案内で事故現場の家や学校を見て歩いた。久高会長は宮森小の敷地内にある仲よし地蔵の犠牲者刻銘板を前に「この子は顔の形が分からなかった。お母さんは学校に着ていった子どものスカートを見て『自分の子だ』と言った」と説明。「事故を語り継ぐのは二度と起こしてはいけないというメッセージ」と話した。
 参加した竹中拓馬さん(17)は「たくさんの人が亡くなったというのを聞くとつらい。感じた自分の実感と、今の政治で『リスク』や『絶対』という言葉を多く使う首相が言う実感が違う。繰り返してはいけない。今の状況に関心を持っていかないといけない」と話した。