県、中国ネット通販に店舗 県内企業集約、販路拡大へ


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Tmallグローバル出展支援の流れ

 県商工労働部は、中国最大のインターネット通販サイト「Tmallグローバル」に県産品を掲載する特集サイト「沖縄館」を開設する。3日、慶田喜美男国際物流商業課長らが県庁で記者会見し、特集サイトに出品を希望する県内企業の募集を呼び掛けた。

県によると、同サイト内に地方自治体が仮想店舗を設けるのは初めて。拡大する中国の電子商取引(eコマース)を通じた県内製造・加工業者の輸出促進を支援し、県産品の販路拡大や沖縄ブランドの確立を目指す。
 中国電子商取引大手のアリババグループが運営する「Tmallグローバル」は、中国のeコマース市場で約6割のシェアを誇る。1日に約8千万人がサイトを訪れる。一方で、同サイトに出店するには企業知名度や販売実績などに関する厳しい審査がある。また、サイト開設費や管理費などで500万円以上のコストがかかるという。
 県は今回、既にTmallグローバルに出店している「エフカフェ」(大阪市)に販売委託する形をとることで、実績のない県内企業でも出品が可能になった。県が県内の出品企業をとりまとめ複数社で出品することにより、出品経費の大幅な削減にもつなげる。
 出品期間は9月から来年3月までを予定。県によると出品にかかる費用は1商品当たり1万2千~1万4千円前後となる。
 出品企業の募集期間は24日まで。10日に、県産業支援センターで出品希望事業者向けの説明会を開く。
 中国では日本の安全安心な製品に人気があり、県では沖縄の健康食品を中心にネット通販分野で市場開拓の可能性が大きいとみている。慶田課長は「中国のeコマース市場規模は計り知れない。海外に対して積極的な販路拡大を希望する事業者を支援できればと思う」と期待を寄せた。
 問い合わせは沖縄国際物流ハブ活用推進事業協同企業体(電通沖縄内)(電話)098(862)0012。