米軍の枯れ葉剤、被害調査を 中村梧郎さん、講演で訴え


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フォトジャーナリストの中村梧郎さん

 ベトナム戦争当時に米軍が使用した枯れ葉剤に詳しいフォトジャーナリストの中村梧郎さん(74)が4日、那覇市の不屈館で「米軍は沖縄に枯葉剤を持ち込んでいた」と題して講演した。

「日米両政府は在沖米軍基地の周辺で亡くなった人の死因別調査をする必要がある」と、枯れ葉剤による被害の有無を調べる必要性を訴えた。
 米軍基地跡地の沖縄市サッカー場の地中に遺棄されたドラム缶のたまり水から高濃度のダイオキシン類が検出された問題で「極めて危険性が高い種類のダイオキシンが含まれる枯れ葉剤の主成分が検出された。枯れ葉剤であることは明らかだ」と強調した。
 復帰前、基地周辺で動植物の奇形が相次いだことを報じる新聞記事などを示し「ハブよけのために基地のフェンス沿いに定期的に枯れ葉剤を散布していたという証言もある。当時は『除草剤』と呼ばれていたが、枯れ葉剤は沖縄に持ち込まれていた」と語った。
 自民党による「報道圧力」問題にも言及し、「安倍晋三首相の謝罪は仮定形で、ごまかしだ。まだ追及する必要がある」と強調した。