マンゴー農家、対策急ぐ 台風9号、収穫繁忙期重なる


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
台風襲来前にマンゴーの収穫に追われる金城すま子さん=6日、豊見城市

 沖縄本島に台風9号が接近するのを前に6日、出荷最盛期の県内のマンゴー農家は台風対策に追われた。マンゴー拠点産地で「マンゴーの里」宣言をした豊見城市内のマンゴー農家は、収穫繁忙期を迎え「台風対策まで手が回らない」と語り、マンゴーの収穫を急いだ。一方、梅雨明け後少雨傾向にある県内では水不足の影響もあり、台風で降る雨に期待する声も上がった。

 豊見城市内で家族とマンゴー栽培している金城すま子さんのマンゴー畑は、収穫直前のマンゴーがたわわに実る。金城さんは「昨年は、収穫ができなかったから木に栄養分が残っている。ことしは豊作」と笑顔で話す。一方「台風が来るまでに熟した物を収穫しておかないと、風で地面に落ちて出荷できなくなる。収穫が終わってからでないと、台風対策はできない」と収穫に追われた。
 約6600平方メートルのマンゴー畑を持つ長嶺篤さん。ビニールハウス内の約9割のマンゴーの収穫を終え、ハウス内の防風ネット張りに追われた。「台風がないにこしたことはない。しかし、ことしは雨が少なく井戸水の水が出なくて、困っている農家もいると聞く」と水不足への懸念を話した。
 JAおきなわは、各地区の営農指導員が農家を回り、防風ネットを張るなどの台風対策を呼び掛けている。青果部の山城隆則部長は「暴風でハウスが破れないか心配だ。風で実がこすれると、果実に傷が付きギフト用としては売れない」と懸念を示す。一方で梅雨明け後、少雨傾向の天候については「梅雨の時期に雨が降らないとどうしても台風に頼りがちだ。一定の降雨量があり、風が弱いといいが」と台風による雨量への期待も示した。
 県農林水産部は、2015年産マンゴーの生産量を平年比26%増の1961トンと見込んでいる。
(上江洲真梨子)