県内企業、健康増進策85%実施 残業100時間超14%


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県内企業による従業員の健康保持・増進策の実施状況(クリックで拡大)

 帝国データバンク沖縄支店は7日、従業員の健康管理に対する県内企業の意識調査結果を公表した。従業員の健康保持や増進を行っている企業は85・2%で全国を1・0ポイント上回った。

一方、過去1年間で月間の時間外・休日労働時間が100時間を超える過重労働者が「いた」と答えた企業は全国より2・3ポイント高い14・8%に上った。同支店は県内の各産業で顕在化している人手不足などを労働時間の押し上げ要因とみている。
 12月に施行される改正労働安全衛生法により、従業員50人以上の企業にストレスチェックの実施が義務付けられることを受け、調査を実施した。調査対象は166社で、有効回答企業数は54社。回答率32・5%。
 健康保持・増進策を実施している企業の目的(複数回答)は「福利厚生」が58・7%で最も多かった。「従業員満足度の向上」「従業員のモチベーション向上」が50・0%、「法令順守」が45・7%だった。
 具体的な対応策(複数回答)は「定期健康診断の実施」が87・0%で最多だったが、全国を8・3ポイント下回り低水準となった。その他の対応策は「定期健康診断の事後措置」が45・7%、「心身の過重負荷要因の改善」「がん健診・人間ドック等検診の実施」が34・8%と続いた。
 職場の禁煙状況は屋外に喫煙場所を設ける「完全分煙」が全国より8・9ポイント低い46・3%だった一方、「全面禁煙」は17・0ポイント高い40・7%だった。
 対策を実施する際の問題点(複数回答)は「効果的な実施方法が不明」29・6%、「経費がかかる」27・8%、「適当な人材確保が困難」「時間確保が困難」24・1%と続いた。
 過重労働者が「いた」と答えた企業は、運輸・倉庫とサービス業で多かった。同支店は「労働力の高齢化が進むことが予測される中、企業の最大の資源である従業員の健康保持は、業績だけでなく国内の経済成長にも大きな影響を与える」と指摘した。