沖縄・ハワイ 姉妹都市30年祝う 交流拡大に意欲


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姉妹都市締結30周年の祝賀夕食会の最後にカチャーシーを踊り、笑顔を見せる翁長雄志知事やデービッド・イゲ知事(左)ら=10日(現地時間)午後7時40分ごろ、ホノルル市のワシントンプレイス

 【ハワイ=与那嶺松一郎】米ハワイを訪問中の翁長雄志知事は10日(現地時間)夜、ハワイ州知事官邸で開かれた沖縄県との姉妹都市締結30周年記念の祝賀夕食会に出席した。県系3世のデービッド・イゲ州知事は「沖縄系の州知事として友好関係がこれからも末永く続くことを祈っている」と沖縄との一層の交流を呼び掛けた。

翁長知事は10月に沖縄でも30周年記念式典を開催し、イゲ氏の訪沖を歓迎することを伝えた。祝賀夕食会に先立ち、両知事は州議会議事堂で「沖縄・ハワイクリーンエネルギー協力に関する覚書」の更新調印を行った。
 祝賀夕食会後、翁長知事は記者団に「ハワイとの関連で、万国津梁の精神をベースにした組織ができないか前向きに考えたい」と述べ、沖縄を拠点とした太平洋地域の交流・研究機関の設置に意欲を見せた。
 11日(現地時間)は「ハワイ沖縄プラザ」起工式や琉球新報移動編集局フォーラムなどがある。
 州政府とハワイ沖縄連合会が主催した夕食祝賀会には、県や沖縄ハワイ協会、企業などの関係者が招かれた。30年前に沖縄県と姉妹都市を結んだ当時の州知事、ジョージ有吉氏も招待された。
 翁長知事は「1899年に沖縄からの移民がハワイに出発して以来、100年を超える交流を積み重ねてきた。多くの県人がハワイで活躍されていることは誇りであり、移住者への理解と支援があったハワイの政府や人々に感謝する」と述べ、ハワイとの絆の次世代への継承を誓った。
 クリーンエネルギー協力は2010年に締結した5カ年計画を、次の5年間に更新した。県とハワイ州、経済産業省、米エネルギー省の4者で、沖縄とハワイを拠点にした新エネルギーの共同研究・開発に取り組む。
 ハワイ州は45年までに化石燃料を全てを再生可能エネルギーに切り替える法律を制定しており、イゲ知事は「島々からなり、化石燃料への依存度が高いといった多くの類似点を持つ両地域で、合同プロジェクトを抱えていく」と沖縄との連携効果に期待した。
英文へ→Okinawa, Hawaii celebrate 30th anniversary of establishment of sister-state relations