【ハワイ=与那嶺松一郎】沖縄県とハワイ州のクリーンエネルギー協力の更新を記念した「ハワイ・沖縄エネルギーイノベーションフォーラム」が10日(現地時間)、ハワイ州議会議事堂で開かれた。30年間で再生可能エネルギーを100%にすることを法律で決めているハワイは沖縄と協力した技術導入に強い意欲を示し、ハワイと沖縄の関係がエネルギー分野における国際協力の先進事例となる可能性が指摘された。
沖縄、ハワイ、日本の経済産業省、米国のエネルギー省の政策担当者や研究者が登壇し、島々からなる地理的条件など多くの共通点がある沖縄とハワイが、化石燃料に依存したエネルギー構造をいかに転換させていくかを議論した。
会場となった米ハワイ州議会のジョセフ・ソウキ下院議長は「2045年までに電力資源を全て再生可能エネルギーで賄うという、全米でも初の歴史的な法案をハワイ議会で通過させた。持続可能なエネルギーの実現に向けて、沖縄との密接な関係によって目標を達成できる」と呼び掛けた。
ハワイ州のルイス・サラベリア産業経済開発局長は、現在のハワイで太陽光や風力といった再生可能エネルギーの使用割合は21%だと説明した。「配送電網の従来のコントロールを1カ所から分散化し、その接続を強くする。超高速のブロードバンドなくしてできない」と述べ、沖縄と連携した次世代型の配送電網システムの展開に期待した。
下地明和県商工労働部長は「沖縄県のエネルギー自給率の目標値は、イノベーション(経済や社会の発展につながる技術革新)が進むことを前提に、本島で20%、離島で100%を設定している」と説明し、「久米島で実証が始まった海洋温度差発電は、ランニングコストが高い。ハワイと共同で克服に取り組みながら、再生可能エネルギーの比率を高めていく」と述べた。
米エネルギー省のフィリス・ヨシダ副次官補は「協力による技術はハワイと沖縄だけでなく、世界中の国のモデルとなって助けになる」として期待した。