【名護】お笑い芸人の又吉直樹さんの小説「火花」が芥川賞を受賞したことに、名護市汀間出身で、長く住む大阪府から一時帰省している直樹さんの父、己敏さん(61)は「あいつはたいしたもんや」と満面の笑みで話した。
5月、純文学作品を対象とした三島由紀夫賞は惜しくも逃しただけに、芥川賞では吉報を期待していた。テレビで受賞が報じられると「やったな」とガッツポーズをしたという。取材中も、親子と分かる似た顔とはにかんだ笑顔で「(内容が)難しいから2ページずつ読んでいる。私は脳が(息子に)負けている」と笑いを誘った。又吉家から芥川賞作家が誕生したことに、己敏さんのきょうだいの初美さん(69)と洋一さん(56)も「おいっ子の活躍を自慢できる」と喜んだ。
直樹さんの写真やカレンダーが飾られた部屋の中、作家として初めて「お父さんへ」とサインされた受賞作を手に取った己敏さんは「ようやったと伝えたい」と繰り返し息子をたたえた。