本島の製糖一本化へ 球陽と翔南、9月合併


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 球陽製糖(うるま市)と翔南製糖(豊見城市)が合併し、9月1日に新会社を設立することが21日、明らかになった。新会社の本社は球陽製糖に置く。新会社が本島の製糖事業を一手に引き受け、製糖作業も球陽製糖の工場に一本化する。翔南製糖の工場は2016年夏にも閉鎖する。関係者によると、サトウキビの作付面積や収穫量の減少により、本島内2工場体制で採算が取れなくなったことが主な要因だという。1954年に本島で製糖工場が本格稼働して以来、製糖工場は合併と吸収を繰り返し本島に残る製糖工場は1工場となる。

 両製糖の従業員約80人は新会社が引き継ぐ。役員も新たに選出する。両社は、今月末にも記者会見し、新会社設立を発表する。
 来期(2015-16年産)は製糖作業を球陽製糖の工場で行う。翔南製糖工場は、サトウキビの葉の除去などの作業を担い、収穫終了後の16年の夏ごろにも閉鎖する予定。
 関係者によると、2012年産から3年間は原料処理量、産糖量共に増加傾向にあるものの、工場の採算ラインとなる約10万トンには満たず両製糖工場は厳しい状況に立たされていた。新会社のサトウキビ処理量は年間約14万トン以上を見込む。
 合併で原料の取扱量が増加するため、工場の燃料費や維持費などの経費削減が図れるという。原料が一定量集まるため、サトウキビの搾りかす「バガス」で肥料や燃料の抽出など農家支援を行うことも検討している。(上江洲真梨子)