県産マンゴーを缶詰に 琉堂が製造・販売開始


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県産マンゴー缶詰やドライフルーツを紹介する琉堂の中継雅史社長=24日、琉球新報社

 沖縄産の青果や加工品を販売する琉堂(那覇市)は、県産アップルマンゴーの缶詰の製造・発売を開始した。海外産の缶詰はあるものの、県産マンゴーの缶詰は国内で初めてという。市場に出せない規格外や傷物を加工用に回す缶詰のイメージを覆し、青果用の県産マンゴーを手作業で皮をむいて詰め込んだ、1缶2700円(税込み)という高級志向。

近年、全国的にも白桃やマスカットといった高級フルーツ缶詰が売れており、同社も贈答用や海外市場に投入する。
 県の中小企業課題解決プロジェクト事業を使って製品化を進めてきた。缶詰にすることで夏場に食されるマンゴーの消費期限が3年に伸びる。中継雅史社長は「県産マンゴーは1年を通じて需要があるが、9月になると果実がなくなってしまう。日持ちがして、かつ高級感のあるものを目指した」と開発の理由を語る。
 豊見城市で収穫されたマンゴーを使い、果実糖度10度以上を厳選。シロップ糖度は通常のフルーツ缶詰に使われる甘さの半分に抑えた。実は手作業で種を抜いて八つ割りにし、約1・2個分にあたる220グラムが1缶に入る。
 中継社長は「果実そのものの甘みを出すため、シロップ糖度を抑えてバランス調整を取るのに1年余り研究した」と説明。缶詰加工は東村でパイン缶詰を製造している沖縄総合農産加工の工場に委託して行った。
 24日から県内ではリウボウストアでの取り扱いが始まり、東京の大手百貨店や香港市場での販売の交渉が進んでいるという。「県産マンゴーを贈ることができなかったお歳暮シーズンに登場させたい」と話した。