辺野古問題を特集 米政府系メディア「複雑な歴史背景」


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 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は23日付電子版で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題の特集を掲載した。

移設反対の動きは沖縄と日本、米国との間に横たわる複雑で困難な歴史が背景にあると分析している。
 記事では琉球処分や沖縄戦、1995年の米兵少女乱暴事件など沖縄の苦難の歴史を紹介した。日本への施政権返還後も米軍に日本の法律が適用されない日米地位協定についても触れている。
 キャンプ・シュワブ前で抗議活動する人たちについて、基地が戦争につながると主張する人、平和主義者、サンゴ破壊など環境への影響を懸念する人、観光産業に損害を及ぼすと主張する人ら、さまざまな理由で反対していることを紹介している。さらに「多くの県民は過激派ではなく、反米でもなく、完全な反基地でもない」とする琉球新報社の富田詢一社長の指摘も紹介した。
 一方、災害や非常事態への対応に飛行場は不可欠とする在沖米海兵隊当局者の考えも伝えている。米軍人による犯罪は過去20年間で減少していることや、米政府が騒音問題に対策を取っているとの主張など、米側の見方も紹介している。