シラヒゲウニ2000匹放流 沖水生「でっかく育て」


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 【西原】乱獲などにより年々個体数が減少している「シラヒゲウニ」約2千匹を、沖縄水産高校総合学科海洋生物系列3年の生徒ら11人が23日、西原町の西原マリンパーク沖合に放流した。

実習の一環で、去年10月から人工授精を経て卵から育ててきた。全国でもシラヒゲウニを種苗生産しているのは、沖水だけという。与那原・西原町漁業協同組合の協力を得て行われた。
 西原町東崎の西原漁港から出港し、水深2~3メートルの海底の岩場に生徒らは素潜りで一つ一つ直径約6センチほどのウニを放流した。大野奏夢(そうむ)君(18)=高3=は「卵から9カ月間育ててきて、初めての経験だったが、いい経験になった。でっかく育ってほしい」と語った。
 また、新城誉介(たかすけ)君(17)=同=は「自然界で大きく育って海に帰ってくるといいなと思う」と述べた。
 与那原・西原町漁業協同組合参事の瀬底博也さん(36)は「昔はこの海にも結構ウニがいたと先輩たちから聞いている。今は埋め立てもあり、全くウニは見ない。ウニが産卵して増えてくれたらうれしい」と話した。
 海洋生物系列の佐藤佳菜子教諭(33)は「学校の中だけでなく、漁協や社会ともつながりを持ち、生徒の社会性が高まることも期待している」と語った。
 毎年沖水はウニを卵から育て放流しているが、ことしはまとまった個体数となったことから西原町での放流となった。
 シラヒゲウニは最盛期の1975年は2200トンの漁獲量があったが、2012年は27トンと激減している。

人工授精し卵から育てたシラヒゲウニを手にする沖水海洋生物系列3年の生徒ら=23日、西原町漁港
放流作業を進める沖水の生徒ら