地域と共生、絆強く 愛楽園まつり、来場増えた


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力強いエイサーで沸かせる愛楽園の職員ら=2日、名護市済井出の愛楽園

 【名護】2015年度愛楽園まつりが2日、名護市済井出の同園多目的広場で開かれた。「地域との共生」をテーマに、30年以上も続く恒例行事に、市内外から多くの親子連れらが訪れ、会場を埋め尽くした。

幕開けでは、市宇茂佐の星のしずく保育園の園児らによるかわいらしい太鼓演舞と、29年ぶりに出演したうるま市天願獅子舞保存会の力強い獅子舞演舞が会場を沸かせた。
 園の職員らが、仕事の合間を縫って練習を続けたエイサーで、会場いっぱいに太鼓の音を響かせたほか、八重山古典民謡保存会と琉球民謡音楽協会の師範による「大泊克兄弟」を招いた民謡ライブには多くの拍手が送られた。
 国立ハンセン病療養所である同園はことし6月、法による隔離政策で広がった偏見や差別の歴史を広く知ってもらう「交流会館」が開館した。来館者は予想を上回る数字で、同園は地域との交流につながっていると喜ぶ。同園自治会の金城雅春会長によると、開館が奏功し、祭りの来場者も例年以上という。
 金城会長は「らい予防法で一般の立ち入りが禁じられ、情報発信できない過去があった。だからこそ、多くの人に園の現実を見てもらうことで地域との交流が深まってほしい」と語った。
 稲嶺進名護市長も「園が地域活性化の拠点になるよう行政としても支援したい」とあいさつした。