工事停止要請取り下げ 那覇空港第2滑走路


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 那覇空港第2滑走路建設に伴う石材投入で漁場に汚濁が広がっているとして、沖縄総合事務局に対し工事停止を求めていた那覇市沿岸漁協など5漁協が、要請を取り下げていたことが6日、分かった。

 5漁協は汚濁防止対策に関する国との協議を那覇市沿岸漁協に一任。那覇市沿岸漁協は、汚濁流出の対策を図るまで工事停止を求める要請を総合事務局に提出していた。
 ところが那覇沿岸漁協以外の4漁協が「工事停止要請の権限までは委任していない」として6日、5漁協の代表者で会合を開き今後の対応を協議した。その結果、汚濁対策について総合事務局と協議する場合は、一漁協に一任せず、5漁協で話し合った上で進めることを確認した。
 一方、工事停止要請や汚濁補償の問題についても5漁協で協議し、総合事務局と調整することにした。
 沖縄総合事務局那覇港湾・空港整備事務所によると、台風9号の接近に伴い那覇空港の滑走路建設は約1カ月間一時停止している。
 沖縄総合事務局は「台風通過後、すぐにでも汚濁防止膜を再設置し工事を進めたい」と再開に意欲をみせた。さらに汚濁防止対策については「指摘があればその都度関係者と協議したい」とも話した。那覇市沿岸漁協は、代表者が不在として取材に答えていない。
 那覇空港第2滑走路建設予定地は、糸満、港川、那覇市沿岸、那覇地区、浦添宜野湾の5漁協が漁業権を所有していた。